家具作りで大事にしていることは二つあります。一つは、「和(わ)」。木にたずさわることでの「人と自然の和(わ)」と作り手とお客さんとの「人と人の和(わ)」ということ。
もう一つは「気」。これは私によく材木を卸してくれている材木屋さんが「中山さん、気持ちの気(き)と樹木の木(き)は繋がるところがすごく多いから、よく考えてやりなさい」と言ってくれた言葉から思うようになったことです。
まず、家具を作るとき、木と向かい合います。そのとき、功利的ではなく、この木をどんなふうに使ってあげれば、木が素直で、気持ちよく、楽になれるかを考える。つまりこれは、人に対する気遣いと全く同じ考え方をしながら木に向かうわけです。
私はこの「和」と「き」を大事にしています。
私は、私の家具づくりを通して、逆に木から、日本や世界の自然のあり方についてや、「和」や「き」を教わっているように感じています。
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